性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。

親子喧嘩の仲裁のために呼ばれたの?私は。
気まずいって。

「…まぁなんでも良い。
 私から言う事は他にない。
 話は以上だ」

勝手に終わらせてしまった父は
溜め息を1つ零し、立ち上がると
部屋を出ようとこちらへ歩いてきた。

「父さん!
 まだ話は終わって―――」

「待ってくださいッ」

氷彗が止めようとする中
私も父の前に立ちはだかり足を止める。

「私はまだ氷彗と出会ってから
 全然まだ日も浅いですし知らない事ばかりです。
 そもそも口数が少なく表情もほとんどないから
 何考えてんのかイマイチよくわからないですし…」

フォローするつもりが
ほぼ嫌味になったのには本人からも
『そこまで言う?』とツッコミが入ってしまい
気を取り直して言い換える事に。

「わからない事は多いです。
 けれど、優しい人だっていうのは知りました。
 なんだかんだ言いながらも
 いろいろ助けてくれます。
 それは私よりも貴方の方がよくご存知のはずです」

「詩菜…」

「どうかよく話合ってほしいです。
 私からもお願いします」

氷彗に小さく声を掛けられたけれど
私は止める事なく
頭を下げながら最後まで言い切った。

ひぃぃ…
怒鳴られそうで頭が上げられないんですけどッ
勢いって怖いんですけど!



心臓バクバクで
父親の反応を待っているとーーー
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