性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。

彼の家をあとにする際
わざわざ氷彗の母は玄関まで見送りに来てくれた。

その時の彼女の様子は
さすが母親と言うのか
父子喧嘩が丸く納まった事を察したらしく
『もう大丈夫ね。本当に良かった』と
氷彗に優しい笑顔を向けていたのが印象的。

お土産にとお茶菓子まで持たせてくれて
私と氷彗は家路についたのだ―――――


*****

「じゃぁ、約束通り…
 お疲れ様の、かんぱ~い!!」

缶ビールを星の綺麗な夜空に掲げて
美味しく頂いたのは、その日の夜の事。

壱琉はまだ仕事で帰ってきてないけど
昨晩と同じく私はまた氷彗の部屋にお邪魔し
今度は缶ビール数本と作ったおつまみ、頂いたお菓子も一緒に
バルコニーのテーブルに広げて腰掛けた。

「本当にするとはね、この謎の乾杯」

冷静に半ば呆れながらビールを口にする氷彗は
あいかわらず、いつも通りの塩対応。

「氷彗との乾杯
 結構楽しみにしていたんだからね~」

「…そう」

野菜炒めやらオードブルを小皿に取り分けて
氷彗の前に提供し、またビールを一口。

「今日お父さんと話が出来て
 少しは関係も変わったんじゃない?
 氷彗も思っている事を伝えられたみたいだしさ」

「…さぁ、どうだろうね。
 あの人の考えている事は未だによくわからない。
 だから今までモメていたわけだし」

意外と冷静?

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