性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。
考えている事がわからないのは
あなたも大概一緒だけど…。
この親子は感情を表に出して素直に喜ぶタイプじゃなさそうだけど、さすがに少しは嬉しそうにすればいいのに。
けどまぁ、一歩前進って事で結果オーライか。
それよりも私には1つ疑問が。
「ねぇ氷彗。
そういえばどうして私に
お父さんとの事を話してくれたの?」
「何さ…いきなり」
からあげに箸を伸ばしていた手がストップし
不信そうに横目で流す氷彗。
マズイ事に触れてしまった感が否めない。
「な、なんとなく気になったと言うか…
深い意味はないのよッ」
「…別に良いけど。」
そう言って、からあげを1つ箸で取ると
パクリと口に頬張って・・・沈黙――――
言わんのかいッ!
って心のツッコミを入れたところで
ようやく氷彗からの返答がきた。
「詩菜なら…
黙って聞いていてくれそうだったから」
答えてもらったは良いが
どういう意味なのだろうか。
「えっと…それはいったい…」
「余計な事を言わないと思ったんだ。
『大変だったね』『可哀想だね』って同情や
『頑張らないと』『ちゃんとしなきゃダメ』って説教とか。
そういう言葉も大事なんだろうけど
今の俺には”何も言わずに聞いてくれるだけ”ってのが欲しかったから」
な、なるほど…