性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。

ムカつくことに
壱琉は目を細め私と氷彗を交互に見ながら
意味あり気にフッと鼻で笑ってくる。

「ふ〜ん、なるほどな」

「な、なに?」

「お前ら、なんかあっただろ」

「なッ!?」

見透かしたような言い方にギクっとしてしまい
『なんでもない』って否定しながらも
笑顔が引き攣って仕方ない。
私、苦手なんだよね…この類の嘘。

「《《なんか》》って、何さ」

「さぁな。どうせキスぐらいは済んでんだろ。
 あ、それとももうヤった?」

「何言ってんの、バカバカしい」

無表情で朝ご飯を食べ始めながら氷彗は
まったく動じる事なく私と違い至って冷静。

そりゃ《《そこまでの事》》は
してないからね。

ハグと告白くらいだし。

…って思い出して
また顔が熱くなっちゃったよ。

「まぁお前らのプライベートに干渉するつもりねーから、宜しくやんな。
 けど、セックスはホテル行けよ。
 この家でされんのは御免だ」

「ちょッ!?セッ…って
 こ、ここでそんな事するわけないでしょ!!」

壱琉の爆弾発言に激しく否定したけれど
“ここでするわけ…”と誤解を招く言い方に
逆に怪しさと疑惑を植え付ける結果になってしまった。

「…わかった。
 ここではしなように努力する」

「ちょッ!?氷彗!?」

私の失言のせいで
氷彗まで乗っかってしまう。
これは悪循環だ。
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