ー無邪気な殺人鬼ー
みゆきが消えたのを
目の当たりにした私はーー。
あの後、1部の目撃者として事情を聞かれた。
だけど、私と同様ーーショックのが勝っていて誰もが口を閉ざした。
私だって何も、言えなかった。
私は隣にすやすや眠る小さな女の子を眺めた。
寝ている姿は、本当に天使みたいで
邪気を含まない。
だけど、お腹が空くと手が付けられないほどで、だけど"素顔"に、偽りは無かった。
私はーーこの子を連れて帰ってきてしまった。
危険だと分かっていながら。
いつか、私まで食してしまうかもしれない。
化け物になってしまった子どもの霊。
だけどーー、それは救えなかったこの時代が悪いーー。
あの日、公園で見かけた親子に、
私は1人を足りないことを知っていた。
知っていて、動けなかったーー。
私は女の子の頭を撫でたーー。