ー無邪気な殺人鬼ー
私に霊感なんか、備わって無い。

私は見える物しか信じない。





ごはん、おいしい。







小さな女の子の声が聞こえた。




『ごはん、おいしい』って。

私はーー自分の聞こえた声に知らないフリを決め込んだ。







おねえちゃん、
ごはんっておいしいね。





凄く切なくなったーー。


食べ物を与えて貰えなかった子供。

私は認めざるを得ない。

私はそっと、振り向いたーー。





「キャッ!!
そ、その口どうしたの??」




口元は真っ赤に、白い服を真っ赤に染めていた。


小さな女の子ーーーー。


この子、公園で見たあの夫婦の子どもだ。



間違いないーー。

随分痩せこけていたが、微かに笑う表情は、すれ違いざまに見えた女の子に見えた。




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