悪役幼女だったはずが、最強パパに溺愛されています！
「お父様は無事なの！？」

「命に別状はないようですが、しかし――」

言葉を濁す重鎮たち。

おそらく、命に別状はなくとも傷は深いのだろう。

ナタリアは生きた心地がしなくなる。

震えるナタリアを見て、重鎮たちは困ったように顔を見合わせていた。

「ナタリア様、ひとまず部屋に戻りましょう」

ナタリアを追ってきたギルが、優しくリシュタルトの部屋の前からナタリアを連れ戻す。

（このくだり、モフ番のクライマックスでもあったわ）

部屋へと誘導されながら、ナタリアは思い出していた。

リシュタルト襲撃事件は、リシュタルトの政治に反発する勢力による闇討ち事件だった。

リシュタルトは一命をとりとめるものの、この先レオンも襲撃に遭い、深手を負わされる。

そこでアリスが単身敵の巣窟に乗り込み、チート能力で敵を平伏させ、オルバンス帝国に平和をもたらすのだ。

リシュタルトはアリスのことを認め、アリスをいびっていたナタリアを投獄するという流れだった。

< 176 / 251 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop