悪役幼女だったはずが、最強パパに溺愛されています!
「俺はお前のことをよく知りもしないのに、勝手にお前が醜い心を持っていると決めつけていた。お前はクロディーヌの娘だからな。あれは獣人王の妻の座に収まりながら、獣を毛嫌いして残虐に扱っていた。だがお前は獣が好きなようだ。自分の命を捨てて、ロイを助けようとしたほどに」
(なるほど。ロイを助けようとしたから好かれたのね)
リシュタルトをはじめ、獣を祖先に持つ獣人は、獣を大事にしている。
そういえばモフ番の中で、アリスが傷ついた獣を献身的に看病し、それがきっかけでリシュタルトに気に入られるというくだりがあった。
獣を大事にする者を、リシュタルトは好むのだ。
明るさとか臆病うんぬんよりも、そちらの方が攻略ポイントだったらしい。
「獣が人を見る目はたしかだ。お前の心は美しい」
リシュタルトの瞳が、優しく細められた。
(この人、こんな顔もできるのね)
驚いたナタリアは、目を見開く。
とにかく、獣を大事にすればこの先も彼との関係は良好そうだ。
動物は前世でも現世でも好きなので、これなら無理をしなくとも素で愛してもらえる。
そうだ、とナタリアは思いついた。
獣好きをもっとアピールして、さらに気に入られよう!
「お父さま。私、もっと獣を見てみたいです。獣保護区に連れて行ってくださいませんか?」
リシュタルトが目を瞠る。
「なぜ獣保護区のことを知っている?」
「お兄様が言ってました」
思った通り、リシュタルトはまた瞳を穏やかにすると、ポンとナタリアの頭に手を置いた。
「そうか。お前は本当に獣が好きなんだな」
「はい、大好きです」
「分かった。近いうちに時間を作って連れて行ってやろう。狼もドラドも、俺たちの先祖だ。虐げる輩もいるが、そんなことはあってはならない。尊むべき存在だ」
「はい、その通りです」
ナタリアは以前ギルに教わったことを思い出していた。
獣は人間と違い、理性のコントロールが効かない、“獰猛化”という状態に陥ることがある。
そうなると、敵味方関係なく攻撃的になるのだ。獣は牙が鋭く凶暴なため、過去にはトラブルを引き起こしたことも何度かあったらしい。
そういった理由から、この世界には、獣を忌み嫌う人たちがいる。
中には獣を虐げたり、乱獲して一儲けをしようと考えたりする悪党もいるようだ。
彼らの手から獣を守るために、リシュタルトは獣保護区を建設したのである。
「分かってくれるか。――いい子だ」
リシュタルトが満足げに口角を上げた。
(なるほど。ロイを助けようとしたから好かれたのね)
リシュタルトをはじめ、獣を祖先に持つ獣人は、獣を大事にしている。
そういえばモフ番の中で、アリスが傷ついた獣を献身的に看病し、それがきっかけでリシュタルトに気に入られるというくだりがあった。
獣を大事にする者を、リシュタルトは好むのだ。
明るさとか臆病うんぬんよりも、そちらの方が攻略ポイントだったらしい。
「獣が人を見る目はたしかだ。お前の心は美しい」
リシュタルトの瞳が、優しく細められた。
(この人、こんな顔もできるのね)
驚いたナタリアは、目を見開く。
とにかく、獣を大事にすればこの先も彼との関係は良好そうだ。
動物は前世でも現世でも好きなので、これなら無理をしなくとも素で愛してもらえる。
そうだ、とナタリアは思いついた。
獣好きをもっとアピールして、さらに気に入られよう!
「お父さま。私、もっと獣を見てみたいです。獣保護区に連れて行ってくださいませんか?」
リシュタルトが目を瞠る。
「なぜ獣保護区のことを知っている?」
「お兄様が言ってました」
思った通り、リシュタルトはまた瞳を穏やかにすると、ポンとナタリアの頭に手を置いた。
「そうか。お前は本当に獣が好きなんだな」
「はい、大好きです」
「分かった。近いうちに時間を作って連れて行ってやろう。狼もドラドも、俺たちの先祖だ。虐げる輩もいるが、そんなことはあってはならない。尊むべき存在だ」
「はい、その通りです」
ナタリアは以前ギルに教わったことを思い出していた。
獣は人間と違い、理性のコントロールが効かない、“獰猛化”という状態に陥ることがある。
そうなると、敵味方関係なく攻撃的になるのだ。獣は牙が鋭く凶暴なため、過去にはトラブルを引き起こしたことも何度かあったらしい。
そういった理由から、この世界には、獣を忌み嫌う人たちがいる。
中には獣を虐げたり、乱獲して一儲けをしようと考えたりする悪党もいるようだ。
彼らの手から獣を守るために、リシュタルトは獣保護区を建設したのである。
「分かってくれるか。――いい子だ」
リシュタルトが満足げに口角を上げた。