悪役幼女だったはずが、最強パパに溺愛されています!
翌日は、昼過ぎから大雨だった。

夕方を過ぎた頃には大嵐になって、ひっきりなしに雷鳴がとどろくようになる。 

――ゴロゴロゴロ!

「きゃ……っ!」

真夜中。

城が真っふたつに割れるのではないかと思うほどの轟音が鳴り、ナタリアはガタガタ震えた。

すぐにまたピカッと窓の外が光り、雷鳴が夜空を揺るがす。

(ひぃっ、怖い……! 雷なんて前世では平気だったのに……!)

頭まですっぽりと布団をかぶり、暗がりの中で怯えていると、廊下から犬の鳴き声がした。

(ロイも怖がってるのね)

ロイの部屋は、同じ階の一角にある。

(ロイ、大丈夫かな)

ロイも自分と同じ気持ちだと思うと、気の毒になってきた。

ロイは大型犬で一見強そうだが、実際は臆病なところがある。

だんだん心配になってきたナタリアは、毛布をかぶって部屋を出た。

ロイの部屋の前に行き、ドアの前にしゃがみ込む。

「ロイ、怖いの? 大丈夫?」

ドア越しに話しかけると、ドアの向こうから、ロイがスピスピとこちらの匂いを嗅いでいる気配がした。
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