悪役幼女だったはずが、最強パパに溺愛されています!
「それが、リシュタルト様も今回は出席なさるそうですよ!」

「そうなの? でも、パーティーに出席するお父様なんて、想像できないわ。どうなされたのかしら?」

リシュタルトがしかめ面でホールの玉座に座っているところを想像し、ナタリアは笑いそうになる。

リシュタルトもほかの貴族同様、ダンスを踊ったりするのだろうか? 

どう頑張ってもイメージできない。

「先ほどナタリア様に舞踏会用のドレスを仕立てるようお達しがありました。なんと、街で評判の仕立て屋に行く特別許可が降りたのですよ! すっごくかわいいドレスを作ってくれるって大変人気の店なんです」

ドロテも茶色の耳をピコピコさせて嬉しそうだ。

「またドレスを仕立てるの? この間もたくさん仕立ててもらったばかりなのに」

「ナタリア様はどんなドレスを着ても、天使のようにかわいらしいですからね。リシュタルト様もドレスを仕立てるのが楽しいのでしょう。新しいドレスを着られるナタリア様を見るたびになんだか機嫌がよいようですから」

「突然パーティーに出席すると言い出されたのも、ナタリア様のドレス姿が見たいからじゃないですかね?」

さっそくどんなドレスにしようかしらとふたりで話を咲かせているドロテとアビー。

「そんなことで苦手なパーティーに出るとおっしゃられているの? まさか、それはないでしょう」

アビーの冗談に、ナタリアは笑った。
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