溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
えっ、熱……?
ぼんやりと自分の身に起きていることをかみ砕いているうちに、維心さんは看病の準備をして部屋に戻ってきた。
彼は私の頭を軽く持ち上げ、普通の枕をタオル地のカバーをかけた水枕に入れ替え、体温計をわきの下に入れた。
検温が終わるまでの間、硬く絞ったタオルで、額や首に浮かんだ汗を優しく拭ってくれる。
ずいぶん昔に母にそうしてもらって以来、誰かに看病されるなんて久しぶり。体はつらいけれど、すごく安らかな気持ち……。
その時、ピピピッと体温計が音を立て、維心さんが表示された数字を確認する。
「七度八分か。朝でこれだと、さらに上がりそうだな」
「ごめんなさい……あの、軽井沢」
「なにを謝る必要がある。きっと疲れがたまっていたんだ、ゆっくり休むといい。別荘ならいつでも行ける」
維心さんはそう言うと、「寒くないか?」と聞きながら、冷房の温度を調整してくれる。