溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
胸の内で呟きながら、浅い呼吸を繰り返す。体中が熱くて、汗が止まらない。
今夜は涼しいと言っていたのは誰だっけ。それとも熱帯夜なのは、この部屋だけ?
「すごい汗だな。そんなに必死で俺を欲しがって……かわいい妻だ」
私が欲張りになったのは、こんなふうに本気で私を愛しているかのように見つめて触れる、あなたのせいだ。
本気で維心さんに愛されたらどんなに幸せだろうって想像してしまうのも、仕方がないでしょう?
首筋の汗を舌で舐め取る彼の固い髪に手を差し入れ、昂った気持ちのまま彼の名を呼ぶ。
「維心、さん……っ」
「どうした悠里。切なそうな目をして。まだ、俺が足りないのか?」
挑発的に言った彼が、首筋から移動させた唇で、私の唇を荒々しくふさぐ。声も呼吸も奪われ、私の中で切なさと快楽がせめぎ合う。
それでも快楽の方に軍配が上がりそうになると、シーツの上で指を絡め握り合った手に、ギュッと力を込める。
「私、もう……っ」
「限界なら我慢するな。……大丈夫だ、一度果てたくらいで離しはしない」