溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
連休明けの木曜日。維心さんが帰ってくる日なので、ソワソワしながら仕事をした。
つわりも若干はじまったようで、時々胃の辺りに不快感を覚える。しかし飴やガムを口に入れれば治まったのでそれほど支障はなく、いつも通り午後六時すぎに、仕事を終えた。
スマホをチェックすると、一時間前くらいに維心さんからのメッセージが入っていた。
【これから弟と会う。話が終わり次第マンションに帰る】
彼が弟さんといったいなにを話すのかは未だに謎のままだけれど、それも今日、彼が帰ってくればわかることだ。私も、妊娠のことを打ち明けなきゃ。
【了解です。夕飯を作って待ってますね】
スマホにトンと指を置き、そのメッセージを送信した瞬間、画面が急に切り替わって、電話の着信を知らせる。
「元木くん……?」
なんだろう。同期なので連絡先は入社してすぐ交換してあったものの、部署が違うし電話がかかってくるのは初めてだ。
「もしもし、どうしたの?」
私がそう尋ねるや否や、電話口の彼が焦った様子で言う。