溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
「ほ、本当か、悠里」
俺はあまりの幸福に声を震わせながら、彼女に聞き返す。
「はい。維心さんと私の赤ちゃんです」
彼女がはにかんでそう答えた直後、俺は胸にあふれる感動を表現するように、悠里の体をきつく抱きしめていた。
「痛いです、維心さん……」
悠里はクスクス笑いながら、俺の腕の中で不平を漏らす。だって仕方がないだろう。うれしいんだ。幸せなんだ。とても。そしてそれは、彼女も同じはず。
「よかったな、悠里。ずっと子どもが欲しかったんだろう?」
「えっ?」
悠里がキョトンと目を丸くする。どうしてそんな反応なのだろう。
「ご両親を事故で失ってから、ずっとひとりで頑張って生きてきた。だから、早く自分の血の繋がった家族が欲しくて、子作りに積極的なんだと思っていたんだが……違うか?」
俺たちは互いに腑に落ちないような顔で、しばらく見つめ合う。やがて悠里が我慢できなくなったようにふふっと笑いだし、俺の肩に額をコツンとぶつけた。
「も~、私たち、ホント会話が足りてない」