溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
その後も妊娠の経過は順調で、十二月には安定期を迎えた。
相変わらず出張の多い維心さんだけれど、戌の日の安産祈願には予定を合わせて一緒に来てくれたし、クリスマスやお正月もふたりで過ごすことができた。
維心さんが実家に帰らなくていいのか心配だったけれど、彼のご両親はいつもお正月休みに海外旅行をするので気にしなくていいらしい。
そうして一月下旬に七カ月目を迎えると、お腹のふくらみも目立ち始めて、歩く時にだいぶ重みを感じるようになった。
産休は会社の規定通り、出産予定日の五月下旬より六週間前の、四月のはじめに入る予定。それまではできるだけ周囲に負担をかけないよう、自分の仕事は自分で頑張るつもりだ。
しかし……。
「あ、いいよ早坂さんは、座ってな」
「こんな雑用は俺たちがやるから」
お腹が大きくなるにつれ、先輩方は私に仕事を与えてくれなくなった。
どんなに軽い荷物でも運ばせてくれないし、高いところから物を取ろうとすると、誰かしらが飛んできて代わりに取ってくれる。