溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
「維心から聞いたわ、お腹の子が女の子って。でも、今は女性だからってお嫁に行くとも限らないし、婿を取る方法もある。だから、男の子だけを望んでいたわけじゃないのよ。もしそれがプレッシャーで、あなたにストレスを与えていたならごめんなさい。とにかく今は、体を大切にね」
「はい」
お母様は私の不安を軽くしてくれるとともに、維心さんや玄心さんの出産についても懐かしそうに話してくれた。
ふたりの妊娠中、実はお母様も入院には至らないにしろ切迫早産気味だったそう。それでもふたりとも安産だったので、悠里さんもきっと大丈夫。そう励ましてくれた。
経験者の話はとてもリアルでためになり、お母様と話した後は一時的に心が浮上した。
しかし、その後も続く長い入院生活。どんなに安静にしていても私の子宮頚管は短く、子宮の入り口も開きやすいまま。
危険な状況はなかなか改善されず、つい思考が後ろ向きになった。
先生は体質と言ったけれど、私になにか落ち度があったのではないだろうか。
仕事で少し無理をした。駅の階段を早足で上がった。維心さんのいない時、背伸びをしながら高い場所の掃除をした。なにより、私自身が〝これくらい大丈夫だろう〟という気持ちだった。
今さら後悔しても遅いけれど、どうしてもっと慎重にならなかったんだろう……。