溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~

 一日に何度もそんなことを考えては枕を濡らし、維心さんが面会に来る夜を待つ。

 入院して二週間ほど経ったその日もそうしていたら、維心さんが来るよりも先に、私の病室を誰かがノックした。

「はーい」
「えへへ、来ちゃった。具合はどう?」

 明るい調子で入ってきたのは、会社帰りの佳代だった。入院のことは知らせてあったので、お見舞いに来てくれたようだ。

 私はベッドのリクライニングを少し起こして佳代を迎える。

「佳代、来てくれたんだ。今は点滴のおかげで張りは少し落ち着いてるかな」
「よかった~。はい、これ、暇な悠里のために持ってきた」

 壁際に寄せてあった丸椅子のひとつをベッドのそばに移動して座りながら、佳代がバッグからなにか取り出す。

 最近巷ではあまり見かけなくなったCDウォークマンと、一枚のCD。

 ジャケットには例のごとくイケメンのイラストと、【入院中に親しくなったドクターと×××】という、意味深なタイトルが添えてある。

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