溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
この状況で、なんでそんなことを聞くのだろう。 愛してもいない女性を抱く行為に、今さら罪悪感を覚えたとか? そんなの、もう、遅いよ。
逃げるどころか、私……心も体も、あなたが欲しくてどうにかなりそうなのに。
胸の内でそう呟くと、両手を伸ばし、維心さんの顔をそっと掴んで引き寄せる。そして至近距離で視線を絡ませながら、囁き声で告げる。
「もう、焦らさないでください……」
「しかし、きみの気持ちをきちんと聞くまでは」
「それなら……体に聞いて?」
私は物欲しげに彼を見つめ、ダメ押しのように唇を重ねると、チュッと音を立てて吸った。
こんな演技までして自分を煽らなければ、自信をなくしてしまいそうだった。
このまま彼と体を重ねて本当にいいのか。快楽の後にやって来るであろう途方もない切なさに、私は耐えられるのか。
維心さんはほんの少し葛藤したようだったけれど、やがてお返しに深いキスを仕掛けてきて、私の体にのしかかってきた。
互いの肌の隙間がなくなり、体じゅうが維心さんの温もりに包まれる。その瞬間は間違いなく幸福で、思わず目の端から涙がこぼれた。