溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
そんなわけはないと何度も自分に言い聞かせているうちに、リビングダイニングに到着した。
維心さんは大きなソファに優しく私を下ろし、そのまま目線を合わせて言う。
「椅子よりソファが楽だろうから、ここに朝食を持ってくる。俺が準備するから休んでいて」
「そんな、なにからなにまでお願いするわけには」
「きみがこうなった責任は俺にある。素直に甘えてくれ。きみだって、会社に行くまでに体が回復しないと困るだろ?」
維心さんは諭すようにそう言うと、私の頭にポンと手を置いてくるりと背を向ける。
責任……か。その固い表現に、浮ついていた心が冷静さを取り戻す。
彼が優しいのは、心の底から私を気遣っているわけじゃなく、自分のしたことに責任を取るため。
そうしてまた、夜になったら容赦なく私を抱くんだ。
愛してもいないのに、愛していると囁きながら。