もっと蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻への溺愛を止められない~
「気にする必要はないですよ、月菜さん。あの引きこもりは外に出そうとするといつもこうなんです。何かと言い訳をして、あの部屋から出たがらない」
引きこもりって……電話で話した時の千夏さんは明るくて元気そうなイメージの女性だったのですが、そんな彼女も何か訳ありのようで。
でもあんな素敵な手作りのヘアアクセをプレゼントしてくれる千夏さんは、きっと素敵な女性だと思うのです。そうでなければ柚瑠木さんが私と合わせようとするはずは無いのですから。
「あの、私は千夏さんと会えるのがとても楽しみです。彼女にきちんと髪飾りのお礼も言いたいですし」
「ええ、月菜さんにそう言ってもらえたら千夏も会いに来ずにはいられないでしょう。本当は人に関わりたいと思っているくせに痩せ我慢ばかりするんですよ、彼女は」
柚瑠木さんは千夏さんの事をずっと気にしてきたのでしょう、そして彼女の生き方にもどかしさも感じているように見えます。私に柚瑠木さんや千夏さんのため何か出来ることがあるのなら……
「そう、なんですね。会えば私は千夏さんとお友達になれるでしょうか?」
「なってやってください、千夏の友達に。あの部屋でこれからの人生を過ごしていくと諦めかけてる、そんな彼女に望みを持つことを教えて欲しいんです」