もっと蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻への溺愛を止められない~
「今日は晴れてよかったですね、昨日までずっと雨が続いたのが嘘みたい」
この地域も数日前に梅雨入りし天気予報は毎日のように雨マークでしたが、千夏さんと会う約束をした今日はスッキリとした青空が広がっていました。
浮かれてしまっている私の隣で何やら荷物を車に詰め込んでいる様子の柚瑠木さん、あれはもしかして千夏さんへでしょうか?
「ああ、これですか? あの引きこもりからの頼まれ物です、いくら言っても買い物にも出ようとしないんですから」
「私が……理由を尋ねたら千夏さんは嫌がりますよね」
なんとなくですが千夏さんが外に出ない理由、それを私が簡単に聞いて良い事ではない気がするんです。それでも、もし私に何か力になれることがあるのなら知りたい気持ちもあって……
「そうやって千夏に直接聞こうとしてくれるんですよね、月菜さんは。傍にいる僕から聞き出す事も出来るのに」
「……そうでもないですよ、本当は柚瑠木さんから教えて貰おうかとも考えましたし」
それでもやっぱり千夏さんと仲良くなって本人から話してもらえたらいいなと、そんな気持ちが私の中では大きかったので。
「そうですか、では行きましょう」
私達は荷物を乗せた車に乗り込んで、千夏さんの暮らす街へ。もうすぐ彼女に会えるのかと思うと嬉しくて胸が弾みます。