もっと蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻への溺愛を止められない~
そんな柚瑠木さんと千夏さんの会話を微笑ましく感じながら、私達を乗せた車は目的の場所へ。白と茶色のレンガ調の建物、そしてその扉の横に看板を持ったテディベアが椅子にちょこんと座っています。
「……ここは?」
「手作りアクセサリーのお店ですよ、二階はその教室になってるそうです」
柚瑠木さんに聞いた話によると、千夏さんはつまみ細工だけでなく色んなアクセサリーを作ったり刺繍をしているそうなんです。それならきっとこういう場所にも興味があるはずだと彼と二人で話し合って……
「教室? でもこんないきなりじゃ……」
少し戸惑っているようですが、やはり内容には興味があるようです。私と柚瑠木さんは顔を見合わせて千夏さんを店の方へと引っ張っていきます。
「大丈夫ですよ、僕と月菜さんと千夏の三人分ちゃんと予約済みですから」
ぐいぐい引っ張られて千夏さんは大した抵抗も出来ないまま、あっさりとお店の中へ。けれどお店に飾られた可愛らしいアクセサリーを見た途端千夏さんはキラキラと目を輝かせて……
「凄い……これ全部ハンドメイド? これも、それも?」
まるで少女のようにはしゃいでアクセサリーを見て回る千夏さんの様子に、私と柚瑠木さんは「成功ですね」と微笑み合いました。