君色ロマンス~副社長の甘い恋の罠~
気持ちを伝える
ぼんやりと目覚めた視界に見慣れない部屋が映る。
「えっ?」
身体を起こすと、ベッドに寝ていたことからここが寝室だということに気づく。
そもそもここは誰の部屋?
重厚感のある黒とグレーでデザインされた寝室にセミダブルのベッド。
部屋の雰囲気やインテリアをみて男の人の物だというのが分かる。
ハッとして視線を落とすと、服はそのままだ。
副社長と一緒にご飯を食べて家に送ってもらうことになり、車に乗ったはずなんだけど……。
必死に思い出そうとしていると、寝室のドアが開いた。
「あれ、起きたんだ」
入ってきたのは副社長だった。
お風呂に入ったのか、ラフなスウェット姿でタオルで髪の毛を拭いている。
「ふ、副社長……」
私は驚きで目を見開いていた。
「意外に早く目が覚めたんだね」
そういうと、副社長はベッドサイドに近寄ってくる。
「あの、ここは……」
「うん。俺の部屋。また逆戻りしたね」
クスクスと笑う副社長に私はガバッと頭を下げた。
「すみません。私、送ってもらっているうちに寝てしまって」
車内でいろいろ話しているうちに睡魔に襲われたことを思い出した。
「別に謝らなくてもいいよ。気持ちよさそうに寝ていたから起こすのが可哀そうになって俺の部屋に連れてきたんだ」
やってしまった。
今までこんな失態を犯したことがなかったのに。