君色ロマンス~副社長の甘い恋の罠~

唇に残る優しくて柔らかな感触に胸がキュッと締め付けられた。
今のは私のファーストキスだ。
ドキドキしながらその感触の残る唇を指で触る。

「ホント、可愛いね。さすがに香澄がキャパオーバーになりそうだから、ひとまずここまでにしとこうか」

そう言って腰掛けていたベッドから立ち上がった。

「今日はもう遅いからここに泊ること。これは決定事項だから」

今の私には副社長に言い返すパワーは残っていない。
おとなしく従うことにした。

シャワーを借り、着替えは副社長の用意してくれていたものに袖を通した。
少し大きめなTシャツに短パン、明らかに副社長の物でドキドキする。

「シャワーありがとうございました」

リビングのソファに座っている副社長に声をかけた。
ソファの前にあるローテーブルに水の入ったコップが置かれていた。

「水飲む?」

「はい、ありがとうございます」

副社長が私のために準備してくれていたんだ。
ソファに座り、水の入ったコップを受け取ると喉に流し込んでいく。
思いのほか、喉が渇いていたみたいで一気に飲み干した。

ふと、リビングが綺麗に片付いていることに気が付いた。
もしかして、副社長がやったのかな。

キッチンでコップを洗い、再びリビングに戻ってきた時に副社長が私を見て口元を緩めた。
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