無気力な幼馴染みの甘い溺愛が止まらない!
「絶対何でもないって顔ではないよね」
「そういえば、さっき内藤達が何か言ってたよな!何て言ってたっけな……」
「白嶺見て騒いでただろ。あ、もしかして、そのことで機嫌が悪いのか?」
俺の内心の気持ちを言い当てられ、言い返せず黙った。
「図星だな、これは」
「由妃ちゃんのこととなると、感情が表に出るよね。聖一君って」
「ほーんと、女の子に興味なさそうな聖一はどこ行ったのって感じだよなー!」
とりあえず、ニヤニヤ笑ってる穂希はうざいから叩いといた。
「痛っ!何で俺だけ叩くんだよ!」
「穂希がうざいから」
「うわっ、酷っ!俺、傷ついたんだけど!」
ギャーギャー騒ぐ穂希を無視して、窓に目を向ける。
誰もいなくなった校庭が物寂しく映った。
さっきまでいた由妃は当たり前かもしれないけど、いない。
……さっきの時間で、もっと由妃を見とけばよかったな。
騒いでることにイラついて、あんま見てなかった。
はぁ……
また1つため息を吐いた。