無気力な幼馴染みの甘い溺愛が止まらない!
「自分で考えなさいって言いたいところだけど、ヒントがほしいわよね。持ってきておいて、ちょうどよかったわ。由妃、これを読みなさい」
そう言って手渡されたものは、少女漫画。
えっと、どうして少女漫画を……
ヒントって言ってたけど、これを読んだら分かるのかな……?
「これね、今人気の少女漫画なの。友達に薦められて買ったんだけど、面白かったわ。これを読んだら、あなたのその気持ちも分かるわよ」
困惑が顔に出ていたのか、真帆は優しく笑ってそう言った。
真帆が言うなら、そうなんだろうけど……
「これであなたが気持ちを自覚すれば、聖一さんの片想いがようやく実るのね」
「えっ……?」
「ううん、何でもないわ」
小さい声で何か呟いた真帆に首を傾げると、真帆は何でもないと首を振った。
「そういえば、由妃。昴のこと、何か聞いてる?」
そして、急に話題が変わった。
昴は私達の仲の良い友達。
明るくて優しくて、誰からも好かれてるサバサバした子だった。
私が留学して、その数年後に昴も引っ越したと聞いた。