無気力な幼馴染みの甘い溺愛が止まらない!


「自分で考えなさいって言いたいところだけど、ヒントがほしいわよね。持ってきておいて、ちょうどよかったわ。由妃、これを読みなさい」


そう言って手渡されたものは、少女漫画。


えっと、どうして少女漫画を……


ヒントって言ってたけど、これを読んだら分かるのかな……?


「これね、今人気の少女漫画なの。友達に薦められて買ったんだけど、面白かったわ。これを読んだら、あなたのその気持ちも分かるわよ」


困惑が顔に出ていたのか、真帆は優しく笑ってそう言った。


真帆が言うなら、そうなんだろうけど……


「これであなたが気持ちを自覚すれば、聖一さんの片想いがようやく実るのね」


「えっ……?」


「ううん、何でもないわ」


小さい声で何か呟いた真帆に首を傾げると、真帆は何でもないと首を振った。


「そういえば、由妃。昴のこと、何か聞いてる?」


そして、急に話題が変わった。


昴は私達の仲の良い友達。


明るくて優しくて、誰からも好かれてるサバサバした子だった。


私が留学して、その数年後に昴も引っ越したと聞いた。

< 152 / 230 >

この作品をシェア

pagetop