無気力な幼馴染みの甘い溺愛が止まらない!
挙動不審な由妃
【聖一side】
「白嶺、なかなか起きてこないな」
「珍しいなー、由妃ちゃんにしては」
「僕、起こして……」
「俺が起こしに行く」
他の男が由妃のことを起こしに行くとか無理。
霖の言葉を遮って由妃の部屋に行こうとすると、ちょうど由妃が部屋から出てきた。
「由妃、おはよう」
「あ、うん。聖君、おはよう」
由妃が俺の方を見て、由妃の顔を見て驚いた。
眠れなかったのか、目の下にクマが出来ていて。
まだ眠そうな瞳。
由妃にしては本当に珍しい。
「由妃、大丈夫?目の下にクマが出来てるけど、昨日は眠れなかったの?」
心配になって、由妃の顔を覗き込みながら聞いてみると……
「あっ、だ、大丈夫!き、昨日夜遅くまで漫画読んでて、寝不足なだけだから」
顔を赤くして、背けられた。
由妃の様子がおかしい。
顔赤いし……もしかして、熱でもあるんだろうか。
そう思って、おでこに触れてみると……多分俺と同じくらいの体温。