無気力な幼馴染みの甘い溺愛が止まらない!
熱はなさそうだった。
「せ、聖君……」
「本当に寝不足っぽいね。でも、由妃。いくらその漫画が面白くても、夜遅くまで読んだらダメだよ?寝不足は身体によくないし」
「う、うん。これから、気をつけるね」
俺の忠告に頷いた由妃。
様子がおかしいのは変わってないけど。
とりあえず、大丈夫っぽい。
「おーい、2人だけの世界に入らないでよ」
「あ、えっと。す、すみません。先輩方、おはようございます」
「おはよう、由妃ちゃん!」
「由妃ちゃん、おはよう」
「おはよう、白嶺」
黎達と接している由妃はいつも通り。
本当に何なんだ……?
不思議には思ったけど、特に気にしなかった。
まぁ、時間が経てばいつも通りに戻るだろうと思ったから。
――思えば、この日からだった。
由妃の様子がおかしくなったのは。
*
「由妃」
「えっ、あ、せ、聖君。な、何?」
俺としては呼んだだけ。