無気力な幼馴染みの甘い溺愛が止まらない!
「ち、違うよ!聖君は何もしてないし、聖君を嫌いになることなんてあり得ないから」
すぐさま否定してくれて、ひとまず安心した。
「なら、よかった」
「ごめんね、聖君。確かに避けてたと言われてもおかしくないよね。いずれ絶対に伝えるから、今は……」
誰にでも言えないことはあるだろう。
俺だって、未だに由妃に気持ちを伝えていないわけだし。
「分かった。何のことか知らないけど、今は言わなくてもいい。だから、由妃。俺のことを避けるのはやめてほしい。やっぱり何か悲しいし」
由妃の気持ちを汲み取って頷いた。
ただ、最後のは叶えてほしいものだけど。
避けられるのは精神的にくる。
「う、うん。もう聖君のこと避けないようにするから」
ちゃんと俺の目を見て、そう言ってくれた。
まだやっぱり様子がおかしい由妃だけど。
さっきまで俺と目を合わせてくれなかったのだから、全然マシだ。
理由は正直分からない。
でも、もういい。
きっと時間が経ったら、俺への態度も元に戻る、そんな気がするから。
「約束だよ、由妃」
「う、うん」
よそよそしい由妃の態度に振り回されたここ数日だった。