無気力な幼馴染みの甘い溺愛が止まらない!
「由妃の部屋は俺の隣ね」
聖君は私にそう言いながら、何か聞きたそうな顔をしていた。
「由妃、俺が園内案内するよ」
「あ、うん。ありがとう」
でも、その前に……
「先輩方、運んでくださりありがとうございました。結局、私が1番持ってませんでしたけど」
「わざわざお礼なんて言わなくていいよ?」
「そうそう。僕達がしたくてしたんだから。あ、その案内僕達にもさせてよ」
「そこは空気を読んどいた方がいいんじゃないか?驚いてたところを見る限り、久々の再会だろうし、いろいろ聞きたいことがあるだろ」
本当に優しい先輩方。
冴木先輩は気を遣って、2人きりにしてくれた。
「最初は1番近い理科室から案内するよ」
「うん、お願い」
今は案内をしてもらってる。
さっきまで上原先輩達といたからか、静けさを感じる。
何か、会話を……
「ねぇ、由妃。俺由妃が帰ってきたなんて知らなかったんだけど、いつ帰ってきたの?」
「えっと、昨日だよ」
「何で教えてくれなかったの?」
どこか責めるような視線がこっちを射貫いてくる。