無気力な幼馴染みの甘い溺愛が止まらない!
向かうところは同じだから一緒に向かってるけど、やっぱり目立つ。
ここは男子寮だから女の子はいないみたいだけど、生徒会メンバーは有名だからか妙に目立つよね。
「今日はスポーツテストだったわけだけど、どうだった?」
そんな中、上原先輩は普通に聞いてくる。
先輩達はきっと慣れてるんだと思うけど……
「えっと、疲れましたけど、結構楽しかったです」
「やっぱり疲れたよね!楽しかったんなら、よかったけど!」
「まぁ、今日は暑かったもんね。最早、夏並みの暑さだったし」
「あ、はい。確かに暑かったです」
先輩相手だからまだ緊張するけど、なるべく自然になるように返した。
よそよそしく言われたら、きっと私もショックを受けるだろうから……
「あぁ、確かにね。ってそうじゃなくて、聞きたいのは聖一のこと。まさか、見てないとか?」
そっちか……
頭にふと今日の聖君の姿が思い浮かんだ。
「いえ、見ましたよ」
そう言った後、聖君の方に視線を向けた。
「聖君、今日かっこよかったよ!それに、本気になった聖君を見れて嬉しかった!」
私はにっこり笑って、精一杯の言葉を聖君に告げる。
ただ伝えたいなと思ったから。
聖君は私の言葉に驚いたような顔をして、そして顔が少し赤くなった。