無気力な幼馴染みの甘い溺愛が止まらない!
「聖君っていつも仕事をしてないんですか?」
「いや、そういうわけじゃない。自分の仕事はすぐこなすんだが、それ以上の仕事はしようとしないんだ。少しは手伝えと言っても、面倒くさいと言うのがあいつの口癖……生徒会長を引き受けたからには、少しは協調性を持ってほしいけどな」
はぁとため息をついておられる冴木先輩。
なるほど……
自分の仕事はこなすんだ。
でも、それ以上をしようとしない。
それは聖君らしいけど、生徒会長という学校全体を引っ張る立場だったら、それはあまり良くないかも。
冴木先輩は副会長だし、大変なんだろうな……
「着いたな。入るぞ」
「はい」
生徒会室に着いて、冴木先輩はノックすることもなく、平然と入った。
私もそれに続く。
「あ、黎が戻ってきた!」
「黎君、どこ行ってたの?」
ちょうど冴木先輩の影になっていて、私の姿は見えないらしい。
広い部屋……
そんな的外れたことを思いながら、辺りを見渡す。