大っ嫌いなのに………
ピンポーン♩
「叶花、行くよ 」
インターホンが鳴ると、紗希に手を引かれて樹先生の車の前まで連れて行かれてしまった。
無言で私を見つめる樹先生。
怒鳴られるって身構えてしまったけど、普通に抱っこされて車に乗せられる。
「紗希ちゃん、ありがとね。
叶花ちゃんいつから体調悪そうにしてた?」
「放課後まではいつも通りだったけど、うちで勉強していたら、心配なくらい顔が青白くなっていて 」
「分かった。教えてくれてありがとう 」
「はい、叶花大丈夫なんですか? 」
「うん、ちょっと無理して貧血の症状が悪化しているけど、病院で治療すれば大丈夫 」
私は車の中で2人の会話を黙って聞いていた。
治療なんて嫌だよ(涙)