大っ嫌いなのに………

「やだーっ やめて… グスッ…樹先生のバカッ…鬼ぃっ!!」

叶花ちゃんの泣き声が診察室に響く。

全身を使って全力の抵抗…
注射する時よりすごくないか…

でも、叶花ちゃんがものすごく抵抗する理由がすぐ分かった。

叶花ちゃん生理中だったんだ。

男の俺に見られて、その上何か言われたらもっと嫌がるだろうから、そのことはあえて何も言わない。


「お尻に薬入れるから、力抜いてね 」

「グスッ…できない…離して。こんな格好恥ずかしい…」

「力抜かないとちょっと痛いよ 」

「いたーい…グスッ 」

「薬入れるのは終わったよ。お腹痛くなると思うけど5分くらい我慢してね 」

「無理、トイレ行く。恥ずかしいからもう離して!」

「ダメ!今行ったらもう一回やらないとだし、俺がお尻抑えてないと漏らしちゃうよ」

「グスッ…樹先生の鬼… 嫌い 」


叶花ちゃん………その言葉はグサッとくるよ…


< 180 / 244 >

この作品をシェア

pagetop