大っ嫌いなのに………
一通り身だしなみを整えてリビングに。
何度も鏡を見たけど、これで大丈夫か和樹くんにも聞いてみる。
「和樹くん、服変じゃないよね ? 」
「変じゃないよ。似合っている 」
「良かった。髪もおかしいところない? 」
「大丈夫だよ 」
良かった。これで準備バッチリ!
そして、ちょうど良いタイミングで樹先生から家の前に着いたよとLINEが来た。
「和樹くん、行ってくるね! 」
「叶花、ちょっと待って ! 」
早足で歩き出すと、和樹くんに腕を掴まれる。
「薬持ってくの忘れてるよ。浮かれているのはわかるけど、一番大事なものでしょ 」
「ごめん。和樹くん、ありがとう 」
「吸入器はちゃんと持ってる? 」
「うん、それはさっきカバンに入れた 」
「じゃあ、行ってらっしゃい!
楽しんで来るんだよ 」
和樹くんは笑顔で見送ってくれた。