大っ嫌いなのに………
「叶花、家に着いたよ 」
「うん… でも、まだ帰りたくない 」
薄暗い車の中、叶花がギュッと抱きついてくる。
何、言ってるんだよ。ヤバイ理性が壊れそう。
そんな可愛いことされたら
このまま車を俺の家の方向に動かして、叶花を持ち帰ろうだなんて考えが出てきてしまうだろ?
「…樹とまだ一緒にいたい 」
どうにか自分の欲と闘っている俺の気持ちも知らずに見つめてくる叶花。
自然と叶花の顔に引き寄せられてしまい
叶花の柔らかい唇に、俺の唇が重なった。
…しばらく叶花の唇を感じて、ようやく離すと、頬を赤く染めた叶花が恥ずかしそうにうつむく。