大っ嫌いなのに………
「できるだけ早く終わらせるからな
このままだと危ないから鎮静剤の点滴打つよ 」
「腕抑えるね 」
「やっ!! やだっ‼︎ 」
叶花の身体を完全に固定すると、和樹先生に目で合図を送る。
「痛っ………! 」
「大丈夫。大丈夫だよ 」
「樹も和樹くんも大っ嫌い! 」
本気の嫌いじゃないにしてもダメージが…
でも叶花の気持ちになってみればそりゃそうなるなって納得もできる。
叶花の意思なんて完全に無視しているからものすごく怖いだろう。
なるべく優しく声をかける。
注射を打ちしばらくすると叶花の力がだんだん抜けてきた。
抵抗しなくなる代わりに、叶花は俺の手を弱々しく握って、ウルウルした目で俺を見る。
「よしよし、終わるまでそばにいるから大丈夫だよ 」
叶花の手を握り返して、頭を撫でてあげることしかできない。