大っ嫌いなのに………

「樹先生、わがまま言ってごめんなさい…。それに服まで濡らしちゃって 」


「もう大丈夫だよ。それと服のことは全く気にしないで 」


「………うん 」

そう言いつつも、申し訳なくなって下を向いてしまうと

頭の上の方から信じられないような言葉が聞こえる。



「また………俺、好きな子泣かせちゃったな… 」

ポツリとそう呟く樹先生…

えっ、 好きな子って⁉︎



樹先生が泣かせたって言っていたし、泣いていたのは私しかいない。

でも、まさかそんなことがあるわけないと思ってしまって、頭の中はハテナマークでいっぱいだ。

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