Bittersweet chocolate
「鞄は、いつも通りカウンターの後ろに置いといてくれたらいいわ」
入口近くで立ち止まっている私に、そう言う先生。伝え終わると、また本の海に消えていく。
先生は図書館司書の先生で、この図書室の管理を担っている。
そして、私が何故ここに来たのかというと、委員会の仕事があるからだった。
鞄を本の貸出カウンターの後ろに置き、私は先生の横に並ぶ。
「返却図書の整理ですか? 私も手伝います」
「ふふふ、ありがとう」
私達以外誰もいない図書室に、先生の朗らかな声が淡く消えていく。
先生から本を受け取り、私も隣に並んで整理を始める。
本を棚に戻す音が響く中、ふと先生は尋ねた。
「あら、そう言えば高坂くんは一緒じゃないの? 同じクラスだったと思ったのだけれど」
「……高坂は、後でくると思います」
本の整理をすることで無意識に頭の片隅に追いやっていたこと。それを尋ねられて、つい言葉に詰まる。
入口近くで立ち止まっている私に、そう言う先生。伝え終わると、また本の海に消えていく。
先生は図書館司書の先生で、この図書室の管理を担っている。
そして、私が何故ここに来たのかというと、委員会の仕事があるからだった。
鞄を本の貸出カウンターの後ろに置き、私は先生の横に並ぶ。
「返却図書の整理ですか? 私も手伝います」
「ふふふ、ありがとう」
私達以外誰もいない図書室に、先生の朗らかな声が淡く消えていく。
先生から本を受け取り、私も隣に並んで整理を始める。
本を棚に戻す音が響く中、ふと先生は尋ねた。
「あら、そう言えば高坂くんは一緒じゃないの? 同じクラスだったと思ったのだけれど」
「……高坂は、後でくると思います」
本の整理をすることで無意識に頭の片隅に追いやっていたこと。それを尋ねられて、つい言葉に詰まる。