Bittersweet chocolate
……小学校の頃は、手の届く距離にいた友達だった。

中学生になり、段々と体が大人に近づいていくにつれて、女子と男子との距離が明白になり、気軽に声をかけづらくなった。

それでも、まだ喋っていた。

でも、段々と彼と一緒にいると切なさを覚え。

彼を見ると胸の高鳴りを感じ。

彼の隣を歩くことに気恥ずかしさが出てきて。

そして、今。

彼への気持ちが、親愛から恋愛に変わったことを自覚した、今。

もう私の手の届く距離に彼はいない。

高嶺の花となってしまった彼と私を結ぶ接点は、もうこの委員会の仕事ぐらいしかない。

――それにすがりつく私は、滑稽なのだろうか。

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