Bittersweet chocolate
「今日も、手作りチョコ渡したらすっごい嬉しそうでね! こっちも作ったかいあったというか。で、『先輩ありがとうございます!』って言う顔が可愛すぎてもうほんっとにヤバい。うちの子天使か? 最高かよ……
って麗奈大丈夫?」

「うん……大丈夫だよ……」

「いや、全然大丈夫じゃないでしょ。煤けた灰みたいになってるよ」

燃え尽きた私を心配してか、おーい、と杏里が目の前で手を振っている。

ぷすぷすと音を立てながら未だ燃え尽きたままの私。傷心気味の私には刺激の強すぎるノロケだった。

「杏里、羨ましいよ……」

一つ下の後輩と付き合うことになったと報告されたのが今年の夏。

『私、森下くんに告白してオッケーもらった!』

背景に花のエフェクトでも飛んでそうな笑顔で私の元へ飛んできた杏里。

部活の選手とマネージャーという関係で、お互いにいいなと思っていたらしい。付き合えてよかったね、と二人で喜んだ記憶がある。

今年の間に、学内で溺愛カップルとして有名になるぐらいには彼との仲は良好らしい。

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