Bittersweet chocolate
でさー、という前置きと共に愛薗(あいぞの)さんが話し出す。

「なんか高坂はね、必要以上にうちらが近づかないようにしてるよね」

「分かるわー」

「近づこうとしたらやんわり遠ざけられるもん」

愛薗さんの言葉に、うんうんと頷く面々。

言いながら、チラッと私の方を見る。

「これ興味本位なんだけどさ。幼馴染だったらなんか知ってる? 麗奈ちゃん」

「……ううん、何も」

「だよねー」

最初からあまり期待していなかったのか、残念がる素振りもなくそう言う。

「でも、ああまでガード高いとなると……」

「既に好きな人がいるか……」

「彼女がいるかっしょ」

彼女達の言葉に、ドキリとした。

可能性のどちらであっても、私に勝ち目がないということになる。

胸の奥がズキズキと痛みだした気がした。

「まあ、普通にうちらに興味ない可能性もあるけどねー」

「魅力ないんじゃない?」

「うわそれだったら結構悲しくね?」

あははと笑いあう彼女たち。

底抜けに明るい彼女たちが、私には眩しかった。

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