0631

斗愛の家も父親と母親が毎日大喧嘩していたらしい


小2の時に親が離婚してから


父親にもたまに会いに行っているらしい


斗愛の家には斗愛の姉がいた。




綺麗なお姉さんで

すごく上品だった




お姉さんの話し方から分かったのは

彼が女の子を家に入れたのは
今日が初めてだったらしい



斗愛は凄く恥ずかしがっていた



遊び慣れているのかと少し思ったけど
本当は純粋で、ただ、



ただ、今、二人は付き合うのかもしれないということに私たちは気付いていた





「よかったら俺と付き合ってください。」




その言葉だけ敬語だった




正式に二人は付き合って




私は斗愛のベットで



斗愛はカーペットの上で眠った





目が覚めると

カーテンのすき間から日射しが綺麗に溢れていて


優しい時間が


流れていた




斗愛の母親が作った料理を


斗愛のお母さんと
お姉さんと
斗愛と私の4人でキッチンのテーブルで食べた



優しいお母さんだった

お姉さんも優しかった


斗愛は恥ずかしそうに

嬉しそうに笑っていた




楽しい時間が流れた

幸せな時間が


私に

こんな私に流れていた




味噌汁を飲むとき

涙を少しこらえていた



薄目で目をつむって美味しい味噌汁を飲んだ




それからの日々は、夏休み。






凄く楽しかった






ある夕方に、初めてのキスもした



とある夜に、







キスもセックスも、本当は初めてじゃなかった

もう遠い昔にすべて奪われていた


私のすべて

全て汚されていた




こんな私に純粋に斗愛は、初めてのキスや

初めてのセックスを



私も初めてだと思いながら




真剣に一生懸命大切にしてくれた
愛してくれた





斗愛だけは一生友達でいようと思った

一生一緒にいようと思う




結婚しようと思った


結婚するんだと思っていた






14歳の夏は私にとって幸せだった






8月の真ん中くらいかな

斗愛はもう仕事を始めた



作業着を着て朝ごはんを食べて、
朝6時に、家に迎えに来る車に乗って


仕事に出掛けるようになった





かなりきついみたいだった

いつも殴られて帰ってきた



二人の時間も減っていった



斗愛のいないお昼


私は時々、自転車で家まで帰った





私のお母さんは、意外にも

斗愛とのことを応援してくれた





最初謝りに帰ったときは

頬を何度か叩かれたけど


かなり怒られたけど



付き合っている男がいると言うと

いろいろ言い合って結局




なんでかは分からないけど

凄く応援してくれた





私が斗愛の煙草を吸うようになって
ひとりの時も吸うようになり

それだけは、いつもすっごく怒られたけど






ある日お母さんがだれかと電話しているときに



「やっぱり私の子だから私に似るのかなぁ!」




みたいなことを言っているのが聞こえた


























< 4 / 46 >

この作品をシェア

pagetop