お嬢様と羊
お嬢様と羊
「なんだ!?
久しぶりに見たな、この光景」
二人が来るのを知っていたかのように、大志がソファに座り待っていた。
「喜多川さん、単刀直入に言います!
陽葵さんを俺に下さい!
必ず、幸せにします!」
しっかり二人は手を繋ぎ合い、一弥は真っ直ぐ大志を見据え言った。
「あの時と同じ目だな」
「え?」
「俺に初めて会いに来た時。
陽葵に会わせてほしいって言いに来た日」
「あぁ…」
「いや、違うな!」
「え?」
「あの時よりも、力強い目だ」
「お願いします!!」
「お前、本当に陽葵を守れるのか?
お前みたいな、暴力ばかりふるってた人間に。
秀人と同じだろ?」
「はい。秀人さんに憧れているので、同じだと思います。でも!一つだけ、秀人さんとは違うことがあります!」
「へぇー、なんだ、それ?」
「俺は、陽葵を他人に託したりしない。
俺が一生、守り抜きます!
もし死ぬようなことがあったら、陽葵も連れて逝きます!
陽葵を一人にはしない!絶対に!」
「……………
フッ…!!
はぁー、お前には負けたよ!一弥」
笑い出す、大志。
そして再度、一弥に向き直り見据えた。
「え?」
「本当は、役員会議でもお前を推薦する奴がいたんだ!
でも、俺はお前に陽葵を渡せないと思った。
だから、認めなかったんだ」
「え……」
「まさか、陽葵がこんなに荒れるなんて思わなかったなぁ。一弥も頑なに陽葵に逢いに行かないし。
正直、駆け落ちでもすんじゃないかと思ってた。
そうなれば、余計に引き離せるって思ったんだが。
俺の方が、甘かったのかもな…」
「パパ…」
「一弥」
「はい」
「陽葵を頼む!」
久しぶりに見たな、この光景」
二人が来るのを知っていたかのように、大志がソファに座り待っていた。
「喜多川さん、単刀直入に言います!
陽葵さんを俺に下さい!
必ず、幸せにします!」
しっかり二人は手を繋ぎ合い、一弥は真っ直ぐ大志を見据え言った。
「あの時と同じ目だな」
「え?」
「俺に初めて会いに来た時。
陽葵に会わせてほしいって言いに来た日」
「あぁ…」
「いや、違うな!」
「え?」
「あの時よりも、力強い目だ」
「お願いします!!」
「お前、本当に陽葵を守れるのか?
お前みたいな、暴力ばかりふるってた人間に。
秀人と同じだろ?」
「はい。秀人さんに憧れているので、同じだと思います。でも!一つだけ、秀人さんとは違うことがあります!」
「へぇー、なんだ、それ?」
「俺は、陽葵を他人に託したりしない。
俺が一生、守り抜きます!
もし死ぬようなことがあったら、陽葵も連れて逝きます!
陽葵を一人にはしない!絶対に!」
「……………
フッ…!!
はぁー、お前には負けたよ!一弥」
笑い出す、大志。
そして再度、一弥に向き直り見据えた。
「え?」
「本当は、役員会議でもお前を推薦する奴がいたんだ!
でも、俺はお前に陽葵を渡せないと思った。
だから、認めなかったんだ」
「え……」
「まさか、陽葵がこんなに荒れるなんて思わなかったなぁ。一弥も頑なに陽葵に逢いに行かないし。
正直、駆け落ちでもすんじゃないかと思ってた。
そうなれば、余計に引き離せるって思ったんだが。
俺の方が、甘かったのかもな…」
「パパ…」
「一弥」
「はい」
「陽葵を頼む!」