お嬢様と羊
「え?それ……あの時の?」
「あれから俺達、一度会ってるんですよ。
陽葵様は覚えてないみたいですが」
「え?」
「俺、陽葵様を助けた時“ありがとう”って言った笑顔が忘れられなくて、会社に行ったことがあるんです。
でも、話しかけれなくて……
迷ってるうちに陽葵様は迎えの車に乗ってしまったのを、バイクで追いかけたんです。
そしたら、事故にあって……それをわざわざ車から降りて、助けてくれたのが陽葵様だったんです」
「え?でも、あの時すぐ私は車に引き戻されたわよ。
宇美(運転手)にあとは救急車来ますから!って」
「でも、誰も助けてくれませんでした。
俺……見た目怖がられてたから」
「そうだったんだ。
一弥、あの時は助けてくれてありがとう!」
陽葵は一弥を見上げ、微笑んでお礼を言った。
「いえ、俺…僕こそ、ありがとうございました!」
「フフ…お互い様ね!」
「はい(笑)」
「あと、私と二人の時はいいわよ。
“俺”って言っても。
タメ口も、凄んでも!」
「怖くないんですか?俺が」
「怖くないって言うと、嘘になるけど……
そこまで怖がることもないって感じかな?」
「………」
「何?変?」
「いえ…そんな風に言われたことなかったし、怖がられることが多かったので……」
「ふーん。
私は一弥みたいにぶつかってきてほしい。
私は、対等でいたいの。
初めてなの。一弥みたいな人。
みんな私に気をつかうから」
「喜多川 大志は魔王ですもんね!」
「そうね……」
「あれから俺達、一度会ってるんですよ。
陽葵様は覚えてないみたいですが」
「え?」
「俺、陽葵様を助けた時“ありがとう”って言った笑顔が忘れられなくて、会社に行ったことがあるんです。
でも、話しかけれなくて……
迷ってるうちに陽葵様は迎えの車に乗ってしまったのを、バイクで追いかけたんです。
そしたら、事故にあって……それをわざわざ車から降りて、助けてくれたのが陽葵様だったんです」
「え?でも、あの時すぐ私は車に引き戻されたわよ。
宇美(運転手)にあとは救急車来ますから!って」
「でも、誰も助けてくれませんでした。
俺……見た目怖がられてたから」
「そうだったんだ。
一弥、あの時は助けてくれてありがとう!」
陽葵は一弥を見上げ、微笑んでお礼を言った。
「いえ、俺…僕こそ、ありがとうございました!」
「フフ…お互い様ね!」
「はい(笑)」
「あと、私と二人の時はいいわよ。
“俺”って言っても。
タメ口も、凄んでも!」
「怖くないんですか?俺が」
「怖くないって言うと、嘘になるけど……
そこまで怖がることもないって感じかな?」
「………」
「何?変?」
「いえ…そんな風に言われたことなかったし、怖がられることが多かったので……」
「ふーん。
私は一弥みたいにぶつかってきてほしい。
私は、対等でいたいの。
初めてなの。一弥みたいな人。
みんな私に気をつかうから」
「喜多川 大志は魔王ですもんね!」
「そうね……」