恋する理由がありません~新人秘書の困惑~
7.恋に理由はいらない
***
「莉佐、なんでフライングした?」
数日後、副社長室で唯人さんから突然質問を受けたが、私はすぐにピンと来ず、考えあぐねて首をかしげた。
「深沢さんに言っただろ?」
「あ! あぁ、そうでした!」
妊娠がわかり、私はそのことで頭がいっぱいで、深沢部長にひとりで話したと彼に報告するのをすっかり忘れていた。
唯人さんには悪いけれど、私の中ではそれはもう済んだ話なのだ。
「深沢さんから聞かされた俺がどれだけ驚いたか」
「すみません。深沢部長と話す機会があったので、ひとりで報告してしまいました」
「だからって、俺に言うの忘れる?」
彼が眉をひそめたままなので、「そんなに怒らないでください」となだめるように言えば、彼はうつむきながら小さく息を吐いた。
「莉佐、なんでフライングした?」
数日後、副社長室で唯人さんから突然質問を受けたが、私はすぐにピンと来ず、考えあぐねて首をかしげた。
「深沢さんに言っただろ?」
「あ! あぁ、そうでした!」
妊娠がわかり、私はそのことで頭がいっぱいで、深沢部長にひとりで話したと彼に報告するのをすっかり忘れていた。
唯人さんには悪いけれど、私の中ではそれはもう済んだ話なのだ。
「深沢さんから聞かされた俺がどれだけ驚いたか」
「すみません。深沢部長と話す機会があったので、ひとりで報告してしまいました」
「だからって、俺に言うの忘れる?」
彼が眉をひそめたままなので、「そんなに怒らないでください」となだめるように言えば、彼はうつむきながら小さく息を吐いた。