恋する理由がありません~新人秘書の困惑~
「瞬間的に唯人にロックオンしたんだよ。だからスマホの弁償より、それを口実にイケメンとお近づきになりたいって魂胆だ」
「嫌な言い方だな」
「唯人は女のあざとさに疎いんだから気をつけろってこと!」
健吾さんはその女性の行動にどことなくあざとさを感じたようだ。
裏があると決めつけるのは、今の話だけでは考えすぎな気がするけれど、健吾さんは計算高い女性が苦手なのだろう。それは自身の経験からきているのかもしれない。
健吾さんの忠告を聞いても、副社長はスマホを壊してしまったお詫びとしてなにか贈りたい気持ちは変わらないみたいで、どれにしようかと買う商品を迷っている。
これが縁で副社長と女性の距離が縮まるのなら、ドラマのような出会いだと思う。
「ピアスがいいかな」
ブラブラと店内をゆっくりと歩いていた副社長が、ピアスのショーケースの前で立ち止まる。
モデルと見間違えるほど美しい女性店員がショーケースの向こう側に陣取り、微笑んでこちらをうかがっていた。
イケメンの副社長を見て、心なしか彼女の目がハートになっているような気がする。
「海老原さんはどれがいいと思う?」
「え? 私ですか?」
「君に選んでもらうつもりだった。女性の意見を参考にしたほうが間違いないから」
私がここへ連れて来られた理由がプレゼント選びのためだとようやくわかり、副社長の隣に並んでショーケースを覗きこんだ。
「嫌な言い方だな」
「唯人は女のあざとさに疎いんだから気をつけろってこと!」
健吾さんはその女性の行動にどことなくあざとさを感じたようだ。
裏があると決めつけるのは、今の話だけでは考えすぎな気がするけれど、健吾さんは計算高い女性が苦手なのだろう。それは自身の経験からきているのかもしれない。
健吾さんの忠告を聞いても、副社長はスマホを壊してしまったお詫びとしてなにか贈りたい気持ちは変わらないみたいで、どれにしようかと買う商品を迷っている。
これが縁で副社長と女性の距離が縮まるのなら、ドラマのような出会いだと思う。
「ピアスがいいかな」
ブラブラと店内をゆっくりと歩いていた副社長が、ピアスのショーケースの前で立ち止まる。
モデルと見間違えるほど美しい女性店員がショーケースの向こう側に陣取り、微笑んでこちらをうかがっていた。
イケメンの副社長を見て、心なしか彼女の目がハートになっているような気がする。
「海老原さんはどれがいいと思う?」
「え? 私ですか?」
「君に選んでもらうつもりだった。女性の意見を参考にしたほうが間違いないから」
私がここへ連れて来られた理由がプレゼント選びのためだとようやくわかり、副社長の隣に並んでショーケースを覗きこんだ。