恋する理由がありません~新人秘書の困惑~
2.恋愛と結婚
***
ブランドショップで副社長のプレゼント選びを手伝ってから一ヶ月が経った。
後日、副社長は無事にピアスのプレゼントを渡せたらしい。
女性とわざわざ待ち合わせをして、プレゼントを渡すだけでサヨナラというわけにはいかないだろうし、ふたりで食事にでも行ったのだと思う。
今のは私の想像で、実際に食事をしたかどうかは聞いていないから不明だ。
さらに言うと、その後ふたりの関係に発展があったのかどうか、副社長はその女性のことを口にしていないから、私には一切わからない。
健吾さんのように、なんでも直球でズバッと聞けたらいいのだけれど。
副社長のプライベートに関係のない私があれやこれやとズケズケ質問できるわけがないし……。
そんな状況になんだか胸の中がモヤモヤする。
「海老原さん、仕事は慣れてきた?」
自分の名前が呼ばれたのに気がついて頭を上げると、いつの間にか深沢部長がデスクのそばにやって来ていた。
「はい。……少しずつですけど」
「良かった。アナナスからこっちに引き抜いてしまったし、心配してたんだ」
深沢部長は私をこの会社へ異動させて副社長の秘書にした張本人だから、様子を気にかけてくれていたみたいだ。
ブランドショップで副社長のプレゼント選びを手伝ってから一ヶ月が経った。
後日、副社長は無事にピアスのプレゼントを渡せたらしい。
女性とわざわざ待ち合わせをして、プレゼントを渡すだけでサヨナラというわけにはいかないだろうし、ふたりで食事にでも行ったのだと思う。
今のは私の想像で、実際に食事をしたかどうかは聞いていないから不明だ。
さらに言うと、その後ふたりの関係に発展があったのかどうか、副社長はその女性のことを口にしていないから、私には一切わからない。
健吾さんのように、なんでも直球でズバッと聞けたらいいのだけれど。
副社長のプライベートに関係のない私があれやこれやとズケズケ質問できるわけがないし……。
そんな状況になんだか胸の中がモヤモヤする。
「海老原さん、仕事は慣れてきた?」
自分の名前が呼ばれたのに気がついて頭を上げると、いつの間にか深沢部長がデスクのそばにやって来ていた。
「はい。……少しずつですけど」
「良かった。アナナスからこっちに引き抜いてしまったし、心配してたんだ」
深沢部長は私をこの会社へ異動させて副社長の秘書にした張本人だから、様子を気にかけてくれていたみたいだ。