恋する理由がありません~新人秘書の困惑~
副社長と交際が始まって、早や三ヶ月になろうとしている。
自分たちのペースで気負わずやっていこうと話し合った結果、他の社員に交際の事実はまだ伏せてある。
噂話が好きな人も多いので、公表すれば仕事がやりにくくなるだろうという、私に対する副社長の配慮だ。
だけど折を見て、深沢部長には話さなければいけないと私は考えている。
部長は“恋愛に興味のない私”が適任だと思って、副社長の秘書に抜擢したのだから。
それなのにこうなってしまったのは、ある意味裏切り行為ではないかと、自分の中でどうしても罪悪感がある。
その気持ちをこの前彼に吐露したら、『莉佐は真面目だな』と軽くかわされ、『俺が口説いたんだ。莉佐のせいじゃないだろう』と余裕の表情をしていた。
「明日の金曜は莉佐の部屋に行くよ」
付き合うようになってから、金曜は仕事が終わったらどちらかの家で過ごす習慣が出来つつある。
翌日は休みなので、泊まるのが前提だ。ちなみに先週は彼のマンションに行き、土曜の夜までずっと一緒だった。
「わかりました。明日、夕飯はなにを召し上がりますか?」
「あのさ、ふたりのときはその堅苦しい言葉遣いはなしでいいって!」
自分たちのペースで気負わずやっていこうと話し合った結果、他の社員に交際の事実はまだ伏せてある。
噂話が好きな人も多いので、公表すれば仕事がやりにくくなるだろうという、私に対する副社長の配慮だ。
だけど折を見て、深沢部長には話さなければいけないと私は考えている。
部長は“恋愛に興味のない私”が適任だと思って、副社長の秘書に抜擢したのだから。
それなのにこうなってしまったのは、ある意味裏切り行為ではないかと、自分の中でどうしても罪悪感がある。
その気持ちをこの前彼に吐露したら、『莉佐は真面目だな』と軽くかわされ、『俺が口説いたんだ。莉佐のせいじゃないだろう』と余裕の表情をしていた。
「明日の金曜は莉佐の部屋に行くよ」
付き合うようになってから、金曜は仕事が終わったらどちらかの家で過ごす習慣が出来つつある。
翌日は休みなので、泊まるのが前提だ。ちなみに先週は彼のマンションに行き、土曜の夜までずっと一緒だった。
「わかりました。明日、夕飯はなにを召し上がりますか?」
「あのさ、ふたりのときはその堅苦しい言葉遣いはなしでいいって!」