恋する理由がありません~新人秘書の困惑~
「唯人さん、好きです」

 私の言葉で、彼の動きが一瞬止まった。

「もっと言え。何度でも」

「……大好きです」

 色気を乗せた綺麗な顔で満足そうに笑うと、彼は再び激しく私を求めた。
 お互いの熱い吐息と唾液が混ざり合う。  

「俺も好きだ。莉佐……愛してる」

 あられもない姿をさらけ出しているのに、抱かれている最中は恥ずかしさを忘れている。
 さらに言えば、もっともっと愛してほしいと彼を貪欲に求めている自分に気がついた。

 “理性が飛ぶ”というのは、こういう状態なのかもしれない。
 なにも考えられなくて、今はただ目の前にいる彼を離したくない。

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